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オステオパシー Osteopathy


オステオパシーは、19世紀にアメリカのアンドリュー テーラー スティル 医学博士によって創始された。人間の体は一つのユニットであり、構造と機能とは相互に関係を持ち、自らを防御し、自らを修復しようとする能力(自然治癒力)を備えている。
博士はこのような考えのもとに、手技によって自然治癒力を導き出し、健康を回復する治療法を生み出した。これがオステオパシーである。

スティルは、解剖学を調べなおし実際に人間の身体を詳細に観察する中で、人体のどの部分も互いに影響しあっており、「全体で一つのものとして機能しているユニットである」ということに気づいた。
例えば、足首の小さなズレがあったとすると、それは周辺の靭帯、筋、他の関節にすぐに伝わり、内臓にも影響し、実は全身に影響しているのだということである。
この原則により、オステオパシーでは、腰痛を治療する場合でも、それが腰だけに原因があるわけではないと考え、全身的な観点から治療を行なう。人体の構造は機能を支配している。

つまり、構造のゆがみはすぐさまその機能に影響し、機能を制限する要因ともなり得る。逆に、機能が構造を支配していることも真実である。
例えば、内臓機能の低下により、その関連する筋などが緊張し、体の構造を歪ませることもありえる。スティルは血液の重要性にいち早く気づいていた。


・身体を作るのも治すのも血液である。
・血液には薬になる天然の物質が含まれている それは繊維質を溶かし、細菌などに対抗する成分も含まれているとスティルは考えていた。現代では当然知られていることである。
・血液は身体を作ろうとする性質を持っている。


身体を作っているのは血液であり、その流れが妨げられると、身体は自らを立て直す力を失う、と信じていた。そして、ある関節のズレは、そこから下の血液の流れを制限し、それはよどみを作り、よどみは発酵し、発酵したものはついには腐敗し、毒素となり、それがゆっくりと全身に回っていき、全身を侵し、病気を作り出すと考えていた。 故に、全身へ新鮮な血液が行き渡り、静脈血が滞りなく心臓へ戻ること、常にピュアな状態にいること、それが重要であると考えていた。「オステオパシーは筋骨格構造をバランスよく整列させ、神経の圧迫を取り去り、内在する医師である血液を体の隅々に行き渡らせることによって、体が自ら治すようにしむけているのである。」

桂月堂